急速冷凍すると、なぜ良いのか
前回の記事で、急速冷凍に大事なものは温度ではなくて、スピード(時間)という話しをしました。では、スピードを早くするとなにが良いのかということを今回は、書いていきます。
最近でこそ、急速冷凍機や急速凍結機という言葉が一般的になってきましたが、以前は「凍っていれば、なんでも変わらんだろう」という、お客様方が沢山いらっしゃいました。いえいえ、冷凍方法で解凍後の状態は全く変わってしまうんです。
さて、前回書きました最大氷結晶生成帯を早く通り過ぎることによってどんなことが起きているのでしょうか。皆さん、肉など凍らせた経験あるかと思うのですが、冷凍品を解凍すると赤い肉汁(ドリップ)が出てきませんでしょうか?これは、ゆっくり凍らせてしまった為に肉の内部の水分が大きな結晶をつくってしまい、細胞壁を壊してしまっているのです。結果的に、食べた時ボソボソしたような食感になってしまいます。
では、急速に凍らせた時はどうでしょうか?急速凍結の中でも、もちろん早ければ早いほど、食品の状態はより良くなっていきます。空気を冷媒にした凍結では、ここまでは難しいですが、弊社の「凍眠」で急速冷凍をかけると氷の結晶は、非常に微細になります。
これは、実際に下の写真をご覧ください。一目瞭然ですね、左が「凍眠」凍結品、右が-30℃の通常冷凍庫品です。
もう1点、マグロの解凍後です。左が「凍眠」解凍品、右が-30℃通常冷凍庫品です。現在業界では、弊社のような急速冷凍技術により、生食用の冷凍品も一般的なものになってきました。これは、肉、魚だけに限らず、調理済みの惣菜等でも食感の残り方が通常の冷凍とは随分変わってきます。
なぜ、急速冷凍機が必要かお分かりいただけましたでしょうか?
次回は、様々な急速冷凍の機械について紹介していきます。