トンネルフリーザー・スパイラルフリーザーについて
トンネルフリーザー・スパイラルフリーザー共に多くの食品工場で使用されている急速冷凍装置ではありますが、各々メリットがありデメリットがあります。
まず、トンネルフリーザー(高橋工業株式会社商標)とは、強力な冷凍庫の中にコンベアを通し、その中を運びながら凍らせるといったイメージです。コンベアを冷凍庫の入り口と出口で通し、中で強力な冷風を吹きかけ冷凍します。大量生産に向いており、レンジでチンする冷凍食品などの多くは、この設備で冷凍されていると思ってよいでしょう。コンベアの幅は2m~ほどで、長さは長いものでは30m以上にもなります。
出典:ドーワテック株式会社 スパイラルフリーザー
そして、スパイラルフリーザーとは、こちらもコンベアで運びながら冷凍するところは同じです。なにが、違うかと言いますと、そのコンベアが螺旋階段のように、らせん状に昇っていきます。この方式のメリットは、トンネルに比べスペースが少なくて済む、W5m×D4mほど。トンネルに比べ、デメリットは、冷却の効率が多少落ちることと、掃除が大変というところでしょうか。
次に、向いている食材や、簡単に特徴をトンネル、スパイラルいずれの機種もバラ凍結(IQF)が得意です。逆に言うとパックをすると、冷却効率が悪く凍結ラインでの凍結が難しくなってしまうのです。また、両機種ともにハンバーグや衣付カツなどは得意ですが、牡蠣やホタテ・スライス肉・ひき肉のバラ凍結となるとトンネルフリーザーのみが得意となります。これは、トンネルフリーザーが、商品によりメッシュ、スチールベルト(薄い一枚板を輪状にしたもの)ともに選択が可能なのに対し、スパイラルフリーザーですとメッシュベルトのみの為です。またスパイラルのメッシュベルトは広がったり縮んだりするため故障も多くなりがちです。互いに一長一短ありますが、この機種でしかできない商品もありますので、凍らせたい品物や、工場のスペースと相談して決めていくべきでしょう。
弊社でも、トンネルフリーザーの挽肉のバラ凍結のラインなど、お客様にご使用いただいております。もし、冷凍の品質と、工場のスペースでお困りであれば、液体凍結機という選択肢もあります。弊社の「凍眠」は、必要スペースは、スパイラルフリーザーよりもさらにコンパクトで、解凍後の品質も、より向上させることが可能です。