急速冷凍機を飲食店に導入するメリットとは?具体的な導入事例や選び方も紹介

食材の品質劣化やフードロスは、飲食店にとって避けられない課題です。 特に原価管理がシビアな現場では、ほんの少しの無駄が経営を圧迫する要因にもなります。 こうした問題を解決する手段として、いま注目を集めているのが「急速冷凍機」の導入です。 鮮度を保ったまま長期保存が可能になることで、廃棄を減らし、必要な分だけを効率よく使えるようになります。 本記事では、急速冷凍の基本技術から導入メリット、テクニカンの「凍眠」活用事例までをわかりやすく解説します。 機器選びのポイントも紹介していますので、コストを抑えて効率的な食材管理を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 急速冷凍の技術とは
  2. 飲食店が抱える食材問題
  3. 食材問題を解決できる急速冷凍機の導入事例
  4. 急速冷凍機の選び方
  5. 急速冷凍機で飲食店の価値を最大化

急速冷凍の技術とは

急速冷凍とは、食品を短時間で凍結させる技術のこと。


食品中の氷結晶を極限まで小さくできることが特徴で、細胞膜をほとんど壊さずに凍結できます。その結果、解凍後も風味や食感を損なうことなく、新鮮な状態を維持できるのです。


急速冷凍の方法としては、強力な冷風を吹き付けるブラストチラーやショックフリーザー、超低温の液体窒素を用いる方法などが一般的です。いずれも食材の鮮度を維持するのに優れ、必要な時に本来の美味しさを蘇らせることが可能になります。


高度な急速冷凍技術の中でも、特に注目を集めているのが、テクニカンが手掛ける液体で凍結できる「凍眠」の技術。


単に急速に凍結させるだけでなく、独自のノウハウと精密な管理によって、より均一で微細な氷結晶の生成、そして解凍時の品質劣化を最小限に抑えることに成功しています。


飲食店が抱える食材問題

飲食店にとって、食材の無駄や品質の低下は、売上や信頼に直結する深刻な問題です。特に生鮮食品は、わずかな取り扱いのミスが品質劣化や衛生トラブルにつながりやすく、在庫管理や仕入れ計画には高い精度が求められます。


さらに具体的にいえば、仕入れ量が多く食材を余らせてしまえば、フードロスが発生し、原価率の悪化や廃棄コストの増加につながります。また、適切な調理タイミングを逃すと、せっかくの食材も味や見た目が損なわれ、顧客満足度の低下を招きかねません。


このような飲食店が抱える食材問題に対しても、急速冷凍機の導入が有効な手段として注目されています。


以下では、急速冷凍がもたらす具体的なメリットについて、フードロス対策や品質保持、作業効率、売上向上といった観点から詳しく見ていきましょう。


食材の品質保持


飲食店において、食材の品質保持は顧客満足度に直結する重要な要素です。温度管理や保存方法が不適切だと、食材の劣化が早まり、結果的に品質低下を招きます。


そこで急速冷凍機を使用することで、旬の食材も劣化を防ぎながら長期保存でき、鮮度と栄養価を保持することが可能になります。


常に品質の良い状態で提供できるようになれば、自然と顧客満足度も向上するでしょう。



作業効率の向上

ランチやディナータイムのピーク時における飲食店は、常に時間との戦いで、分単位の効率が問われます。時間と手間を節約するためには、見込み客に対する食材の仕込みなど、事前準備がカギです。


急速冷凍機を導入すれば、一度に仕込みをまとめて行い、必要なときに必要な分だけを解凍して使用できます。調理の手間が減るとともに、スタッフの負担も軽減し、限られた人員で多くの注文に応える体制が整うのが魅力です。


なかでも「凍眠」は、食材ごとの最適な冷凍条件を細かく設定できるため、業態やオペレーションに合わせた活用もしやすいでしょう。


売上の向上

急速冷凍機の導入は、最終的に売上の向上にもつながります。


新鮮な食材を無駄にせず、クオリティの高い料理を安定して提供できれば、それだけでお客様の信頼を獲得できます。さらに、季節食材を計画的にストックしておくことで、旬を先取りしたメニュー開発や限定メニューの展開もむずかしいことではありません。


結果として、リピーターの増加や客単価の向上、新規顧客の獲得にもつながり、競合店との差別化も図れるでしょう。


食材問題を解決できる急速冷凍機の導入事例

品質な冷凍を実現する「凍眠」は、さまざまな飲食業態で導入され、その効果を発揮しています。


ここからは、具体的な導入事例を通して、凍眠がどのように食材問題を解決し、新たな価値を生み出しているのかを見ていきましょう。


完全予約制の高級鮨店での活用例

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東京・恵比寿にある完全予約制の高級鮨店「心白」では、急速冷凍機「凍眠ミニ」が導入されました。


店主の石田氏は、石巻の漁師から「釣れたての魚を冷凍しても変わらない」と勧められたことがきっかけで導入を決意。​凍眠を活用することで、アニサキス対策を行いながら鮮度を保持できるのがメリットと語ります。


また、ミンククジラなどの大きな食材もまとめて仕入れ、必要な分だけを解凍して使用することで、フードロスの削減と作業効率の向上を実現。さらに、常連客に「今日の握りは凍眠で冷凍したネタが1貫」とクイズを出したところ、誰も見破ることができなかったほど、品質の高い提供を可能にしています。


【鮨×凍眠】完全予約制の高級鮨店も「凍眠」を活用 | 心白さま


自社EC販売での活用例

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東京都港区三田にある「醤油をかけない海鮮丼 うみさち」では、急速冷凍機「凍眠ミニ」を導入し、自社ECサイトでの販売を強化されています。


マグロやサーモン、タイなどの魚介類を熟成させ、一番美味しいタイミングで「凍眠」で急速冷凍することで、ハイクオリティな商品を安定的に提供。​見た目にもこだわったパッケージングを行い、1本約5,000円の高付加価値な商品としても販売されています。


さらに、物販が好調であったこともあり、機械導入コストも約3ヶ月で回収できたのだとか。​今後は、より多くの顧客に商品を届けるため、もう一回り大きめの「凍眠」の導入を視野に入れているとのことです。


海鮮丼の具材を凍眠で急速冷凍


レストラン・冷凍グルメ専門店での活用例

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横浜中華街の老舗「萬珍樓」では、冷凍中華専門店「萬珍凍眠館」を構え、「凍眠」技術を活用した冷凍グルメを製造・販売されています。


1階では凍眠された冷凍食品を販売する店舗、2階は店舗用・オンラインショップ用の冷凍グルメを生産する専用のスペースを確保。レストランの厨房にも導入いただいており、アイドルタイムを有効活用し、仕込み時間の効率化に成功しています。


オンラインショップ用の冷凍グルメは、さまざまな電子レンジでもお店の味が再現できるよう、冷凍・解凍するうえでのベストな火入れを研究。結果、レストランの常連のお客様からも「他の冷凍食品とは違う。」とお褒めの言葉をいただくそうです。


凍眠専用の施設「萬珍 凍眠館」を構え、全社一丸となって凍眠事業に取り組む


急速冷凍機の選び方

急速冷凍機の効果を最大限に得るためには、以下のポイントを押さえた機器選びが重要です。


 


・処理能力と設置スペース


・冷凍温度と冷却時間


・電力消費と運用コスト


・アフターサービス体制


 


一つずつ確認していきましょう


1. 処理能力と設置スペース

まず、急速冷凍機の処理能力は、飲食店の規模や使用頻度に応じて、適切に選ぶことが必要です。


食材量に対して処理能力が足りない場合、冷凍時間が長くなり、食材の品質が低下する恐れがあります。一方で、処理能力が過剰な機種はコストが高く、電力消費も増加してしまうのが問題です。


また、設置スペースの確認も重要です。


特に小規模な飲食店では、限られたスペース内で効率よく機器を配置する必要があるため、コンパクトな設計で高い性能を発揮する急速冷凍機が適しています。


さらに、作業動線や通風や排水などの条件も考慮したうえで、具体的な設置計画を立てるとなおよいでしょう。


2. 冷凍温度と冷却時間

飲食店では、食材の品質を守りつつ効率よく仕込みや保存を行うのが好ましいため、冷凍温度と冷却時間の性能をしっかり見極めることが欠かせません。


まず、急速冷凍機の冷凍温度は、低温で一気に冷凍できる機種に注目してみてください。食材の細胞を壊しにくく、解凍後のドリップや食感の劣化を防げます。特に魚介類や肉類など繊細な食材を扱う場合は、−30℃以下の冷凍が可能なモデルを選ぶと安心です。


また、冷却時間は短いほど、氷結晶が小さくなり、品質保持に優れます。反対に、冷却時間が長いと、食材内部の結露や霜焼けが発生し、品質が低下しやすくなるため、事前の確認が重要です。


さらに、実際に導入している飲食店のレビューや、メーカーが提示する食材別の冷却例などを参考にすると、自分の店のメニューや食材に合った性能かどうか判断しやすくなるでしょう。


3. 電力消費と運用コスト

急速冷凍機を選ぶ際には、電力消費と運用コストも考慮に入れることが大切です。


特に冷凍機の稼働時間が長くなる飲食店では、電力消費は重要なコスト要素となるため、より消費電力を抑えられる機種を選びましょう。消費電力の少ない機種を選ぶことで、環境に配慮した経営にもつながり一石二鳥です。


また、メンテナンスや修理コストといった長期的な運用コストを抑えるためには、信頼性の高いブランドや故障が少ない機種、メンテナンス体制が整った機種を選ぶことをおすすめします。


4. アフターサービス体制

急速冷凍機を選ぶ際には、アフターサービス体制の確認も欠かせません。


急速冷凍機は高性能かつ長期的に使用するのが一般的な機器であるため、定期的なメンテナンスや予期せぬ故障が発生することがあります。アフターサービスが整っていれば、トラブルに迅速かつ的確に対応してもらえて安心です。


液体凍結機のパイオニアといわれるテクニカンでは、購入後も安心してご利用いただけるよう、充実のメンテナンス体制を取り入れています。長期の使用でも故障が起きにくいよう、あらかじめ堅牢性にこだわり生産していることもポイントです。


急速冷凍機で飲食店の価値を最大化

急速冷凍機は、飲食店にとって食材の品質を保持し、作業効率を向上させるために極めて重要なツールです。この機器を導入することで、食品ロスの削減やコスト削減につながり、最終的には売上の向上にもつながる可能性が大いにあります。


急速冷凍機を選ぶ際には、処理能力や設置スペース、冷凍温度・冷却時間など、複数の要素を考慮することが大切です。さらに、消費電力やアフターサービス体制も確認しておくと、コスト面からも安心でしょう。


急速冷凍機を適切に選び、最大限に活用できれば、飲食店の運営をより効率的で収益性の高いものにできます。急速冷凍機は単なる機器ではなく、飲食店の成功をサポートする重要なパートナーといえるでしょう。


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