急速冷凍機の種類とは?エアブラスト式や液体凍結などの特徴から選び方まで解説

近年、食品業界で注目を集める急速冷凍機。従来の冷凍庫とは異なり、食材の鮮度や風味を高く保つ技術で、私たちの食生活やビジネスのあり方を大きく変えつつあります。 とはいえ、「急速冷凍機って具体的に何ができるの?」「どんな種類があって、どう選べばいいの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。 この記事では急速冷凍機の基本から、最適な選び方、そして最先端の凍結技術まで、わかりやすく解説します。貴社のビジネスにおける品質向上やコスト削減、新たな商品開発のヒントとして、ぜひご一読ください。
目次
急速冷凍機とは?

急速冷凍機は、食品の品質を劇的に向上させる画期的な技術です。従来の冷凍方法では、食品内の水分がゆっくりと凍ることで大きな氷の結晶が形成され、細胞壁を破壊してしまいます。しかし急速冷凍機なら、食品内の水分が凍り始める-5℃から-1℃までの温度帯を30分以内に通過できるため、小さな氷結晶しか作られません。
急速冷凍の技術により、解凍時に起こるドリップ(旨味成分や栄養分の流出)を大幅に削減し、まるで作りたてのような鮮度と食感を維持できます。エアブラスト式、リキッド式、液体ガス式、コンタクト式など多様な方式が存在し、それぞれ異なる特徴を持ちながら食品を短時間で高品質に凍結することが可能です。
「急速凍結庫」「瞬間冷凍機」といった呼び方の違いはあるものの、基本的な原理は同じです。食品の細胞構造を保護し、本来の美味しさを長期間維持することを目的としています。
急速冷凍機を選ぶ際のポイント

食品との相性を確認する
急速冷凍機選びで最も重要なのは、対象となる食品との相性です。品の種類や特性によって、最適な凍結方式や機器が異なるため、導入前にしっかりと検討する必要があります。
例えば、水分が多い食品や形状が複雑なものは、凍結ムラや乾燥による品質低下が起こりやすいため、均一に凍結できる方式が向いています。また、厚みのある食品は中心までしっかり凍結できる方式が有利です。
食品の特性や最終的な用途を考慮して最適な急速冷凍機を導入することで、品質維持と業務効率化の両方を実現できるでしょう。
使い勝手・作業効率を重視する
現場での使いやすさと作業効率は、急速冷凍機選びで見落としがちな重要な要素です。操作性や設計が業務フローに適していれば、従業員の負担軽減と生産性向上を同時に実現できます。
ボタン操作や設定の分かりやすさ、トレイや棚の出し入れのスムーズさは基本的なチェックポイントです。大規模店舗では、一度に処理できる食材の量や処理速度も重要な判断基準となります。
適切な機器を導入できれば、事前調理や作り置きの効率化、作業全体のスピードアップが図れます。さらに、直感的な操作性により新人スタッフでも簡単に扱えるようになり、サービス品質の向上にもつながるでしょう。
アフターケア・サポート体制をチェックする
導入後のサポート体制は、機器選定時に必ず確認すべき重要な項目です。トラブルや故障発生時の対応品質が、事業の継続性に直接影響します。
保証期間や保証内容の詳細を確認し、故障時の対応時間が明確に示されているかチェックしましょう。特に飲食店や製造業では機器停止による損失が大きいため、迅速な対応が可能な業者を選ぶことが欠かせません。
また、機器の耐用年数を考慮し、長期間のサポート継続や定期メンテナンス、消耗品交換などの体制が整っているかも確認が必要です。
急速冷凍機の種類

急速冷凍機には主に以下の4つの種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
・エアブラスト式(空気凍結):冷風(マイナス30~70℃)を食品に吹きつけて凍結する方式で、最も一般的。多様な食品に対応可能
・リキッド式(液体凍結):マイナス温度でも凍らない液体(アルコールや塩水)に食品を浸して急速凍結。熱伝導率が高く、凍結速度が速い
・液体ガス式(液体窒素):マイナス196℃の液体窒素やドライアイスを噴射し、超急速に凍結。品質保持に優れるがコスト高
・コンタクト式(接触式凍結):冷却した金属板で食品を挟み、圧力を加えて凍結。平板形状の食品に適する
上記の中でもリキッド式(液体凍結)は特に優れた性能を発揮します。液体の熱伝導率は空気の約20倍もあり、従来の空冷式と比較して細胞破壊やドリップを最小限に抑制できます。
また、液体冷凍では凍結ムラも発生しにくく、食品の形状や大きさに関係なく均一な凍結が実現します。その結果、解凍後も作りたてに近い鮮度と食感を維持でき、品質向上と業務効率化に大きく貢献してくれるでしょう。
独自の液体凍結技術を採用したテクニカン「凍眠」シリーズ

液体冷凍の優位性を最大限に活かした製品が、テクニカンの「凍眠」シリーズです。マイナス30℃の液体アルコールを使用した独自技術により、従来の急速冷凍機を上回る高品質な凍結を実現しています。
以下では、代表的な商品を2つご紹介します。
「凍眠」S-220W
移動が簡単なコンパクト設計です。最大凍結能力は16~20kg/h(凍結前温度+5度の真空パック牛肉基準)を誇ります。
匠の技で丁寧に溶接されたステンレスワイヤーの棚式カゴと、大型食材にも対応するバケット式カゴが標準装備されており、購入後すぐに本格的な処理が始められます。
「凍眠ミニ」TM-01
飲食店やECサイト販売に最適な「凍眠ミニ」は、約60cm四方のコンパクトサイズながら本格的な液体凍結技術を搭載しています。
TM-01は凍眠ミニシリーズ最小サイズでありながら、マイナス30℃での高速凍結により空気冷凍を圧倒する性能を発揮。凍結能力は約2.5~2.8kg/hです。
急速冷凍機の導入で食品の品質と業務効率の向上へ

急速冷凍機の導入は、食品の品質向上と業務効率化を同時に実現する投資価値の高い選択です。食品との相性やコスト面、使い勝手、サポート体制といった重要ポイントを総合的に検討し、事業規模や用途に最適な機器を選ぶことが成功のカギとなります。
特に液体凍結技術を採用した機器は、従来の空気冷凍では実現できない高品質な凍結を可能にし、解凍後も作りたての美味しさを保てる画期的な技術です。テクニカンの「凍眠」シリーズなら、小規模事業者から大型施設まで、幅広いニーズに対応できる豊富なラインナップが揃っています。
いきなりの購入に不安を覚える方に向け、テクニカンでは購入前の凍結テストも実施しています。「テストキッチン」「郵送」「自社設置」の3つの方式からお選びいただけるため、ぜひお気軽にお問い合わせください。