急速冷凍機の導入メリット5つ! 通常冷凍との違いや適合食材も解説

食材を冷凍保存する技術は、飲食業や食品加工業において長年活用されてきました。しかし近年、従来の冷凍方法ではむずしかった「品質の維持」や「おいしさの再現」を実現する手段として、急速冷凍技術に注目が集まっています。 急速冷凍は、冷却スピードや氷結晶の制御など、食品の内部構造に配慮した冷凍方法です。食材の細胞破壊を抑え、解凍後も高い品質を保つことが可能となります。 本記事では、通常の冷凍との違いや適した食材紹介も交えながら、急速冷凍のメリットについてわかりやすく解説します。
目次
急速冷凍機とは

急速冷凍機とは、食材を-30℃ほどで迅速に低温にし、短時間で凍結するための冷凍機機です。
ただ瞬時に冷凍できるだけでなく、通常の冷凍庫とは違った仕組みで、食材に含まれる旨味や風味、鮮度を保ちながら保存できる特徴があります。
従来は、大規模な食品工場や業務用厨房で使われていました。
近年では、中小規模の飲食店や食品加工現場などにも導入が進んでおり、食品ロス削減や業務効率化を実現する製品として注目を集めています。
通常の冷凍との違い
急速冷凍と通常の冷凍法の大きな違いは、解凍後の食材の美味しさ・食感・栄養価です。
急速冷凍では、食材を凍らせる過程で発生する氷の結晶の膨張が大きくなりにくく、細胞へのダメージを抑えられます。一方、通常の冷凍はゆっくり凍らせるため、氷の結晶が膨張しやすく、細胞を傷つけてしまいます。
通常、冷凍の刺身や肉を解答すると、水っぽくなったり、血のようなものが滲んだりすることがあるでしょう。これをドリップといい、細胞が壊れて、旨味や栄養などが流れ出てしまっている証です。
急速冷凍なら、このドリップがほとんど出ず、解凍後でも新鮮さや食感が損なわれません。
急速冷凍機の主要なメリット

(1)食材の鮮度とおいしさを保つ
急速冷凍の最大のメリットは、食材の鮮度や風味、栄養を損なわずに保存できることです。
繰り返しにはなりますが、従来の冷凍法では、食材の細胞内に大きな氷の結晶ができてしまい、解凍時にドリップが発生しやすくなります。一方、急速冷凍では氷結晶の膨張を抑えられ、細胞組織の損傷が少なく、解凍後も食材本来の食感や味を保てます。
寿司ネタや和牛といった高級食材でも、その品質をキープしたままお客様へ提供できるのは、急速冷凍機の大きな強みです。
(2)食品ロス削減につながる
急速冷凍機の導入は、食品ロスの大幅削減にもつながります。
余剰在庫を高品質のまま冷凍し、後日販売へつなげるには、うまみを逃がさない凍結方法の選択が不可欠です。そこで急速冷凍なら、食材が持つ本来の鮮度と品質を維持したまま長期間保存できます。
さらに、使いたい時に使いたい分だけ解凍できるため、特に鮮度が重視される食材をメインで扱う現場での食品ロス削減にも大いに貢献してくれるでしょう。
(3)時間と人手の大幅な削減によるコストダウン
急速冷凍機を導入することで、業務にかかる時間と人手、コストを大幅に削減できることもメリットの一つです。
まず、食材の仕入れには人手と時間、それに伴う人件費がかかります。急速冷凍機を使用すれば、食材を長期間保存できるようになるため、割安になる大量仕入れが可能です。
頻繁な買い出しや在庫管理の人手と時間を抑えられ、トータル的なコストダウンを実現できるでしょう。
(4)業務プロセスの効率化
急速冷凍機は、業務プロセスの効率化にも大いに役立ちます。
慢性的な人手不足に悩む現場では、毎日の仕込み作業が大きな負担となっているケースも多いのでしょう。そこであらかじめ仕込みや調理を行い、急速冷凍してストックしておけば、日々の人件費をカットしつつ、スムーズに現場を回せます。
急速冷凍による高品質な食材の提供と、効率的な業務プロセスが可能となれば、顧客満足度も高まり、リピーターの増加につながるでしょう。
急速冷凍機の選び方と導入のポイント

急速冷凍機を導入する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが必要です。失敗しない選び方を確認してみましょう。
用途と容量を明確にする
急速冷凍機を選ぶ際には、まずその機器が用途に適しているかを確認しましょう。
卸・食品加工・生産者向けであれば、中容量〜大容量の凍結機がおすすめ。
小規模な店舗や事業者の場合であれば、よりコンパクトなモデルが適しているといえるでしょう。
また、保存したい食材の種類に応じて、冷凍機の容量も重要な要素となります。用途に合わせて最適な容量を選ぶことこそ、効率的な冷凍機の導入方法です。
省エネ性能やメンテナンス性に注目
省エネ性能やメンテナンス性も、急速冷凍機を選ぶうえでは重要な基準です。
省エネ性能が高いタイプは、ランニングコストを削減できるだけでなく、環境負荷も抑えられます。特に業務用を選ぶ場合、長時間稼働することが多いため、エネルギー効率の高いモデルを選ぶことが経費削減のカギです。
また、定期的なメンテナンスが容易に行える構造であることも、長期間にわたり安定して運用するうえでは重要なポイントです。
温度設定や操作性の緻密さ
急速冷凍機を選ぶときは、温度設定や操作性も注目ポイントです。
特に高い鮮度を保つためには、精密な温度管理ができる機能が求められます。温度設定が自由自在に調整でき、安定した冷却性能を持つ機種が理想的です。
また、操作が簡単な冷凍機は、業務の効率化にも貢献してくれます。
設置スペースと導入コスト考慮
急速冷凍機を導入する際には、設置スペースと導入コストもしっかり考慮する必要があります。
大型の冷凍機を選んでも、設置場所が確保できなければ意味がありません。事前に設置スペースの寸法を測り、スペースに適したサイズの機器を選定しましょう。
導入コストにおいては、製品自体の価格だけでなく、設置工事や初期投資、導入後の維持費用も含めて総合的に検討することが重要です。
急速冷凍に適した食材

急速冷凍に適した食材には、魚類や肉類、お弁当や日本酒などがあります。
テクニカンの急速冷凍機もまた、さまざまな食材に活用いただいています。活用事例を含め、急速冷凍の適性を詳しくチェックしていきましょう。
魚類
急速冷凍は特に魚類に適しています。
魚はただでさえ鮮度が失われやすく、風味や食感が劣化しやすい食材です。急速冷凍なら新鮮なうちに短時間で冷却できるため、魚の持つ旨味や食感を保てます。
肉類
肉類も急速冷凍に適した食材です。
元々冷凍に向く食材ですが、見た目の新鮮さにも関わるドリップを最小限に抑えるとともに、ジューシーさや風味を保てるのは、肉類を急速冷凍するべき理由といえます。
お弁当
急速冷凍はお弁当にも効果的です。
お弁当は多くの食材で構成されており、通常の冷凍では食材ごとに質が変わってしまうことがあります。しかし、急速冷凍なら各食材を均一に冷凍することができるため、お弁当全体の品質を均一に保つことが可能です。
さらに、急速冷凍された美味しいお弁当は、忙しい日のランチや保存食品としても役立ちます。
日本酒
意外なことに、日本酒も急速冷凍に適しています。
日本酒は温度管理が重要な飲み物です。急速冷凍を利用することで温度が低温に保たれ、劣化を防ぐとともに酒質を維持できます。
特に高級な日本酒は品質の保持がむずかしいとされています。急速冷凍により、微生物の活動を素早く停止させることができるため、日本酒の風味や香りを長期間保つことが可能です。
急速冷凍機のメリットを活かして業務効率を最大化しよう
急速冷凍機の導入は、食材の鮮度保持や食品ロスの削減、業務効率化といった多岐にわたるメリットがあります。最新技術を用いることで、品質を維持しながら保存でき、新しい商品開発や持続可能なビジネス運営にも活用可能です。
テクニカンの急速冷凍機は、特許取得のオリジナル技術により、通常の急速冷凍機よりスピーディーに食品を凍らせます。卸業者や食品加工業者、生産者向けの「凍眠」と、飲食店向けの「凍眠ミニ」をラインナップ。高品質な食材長期保存と低ランニングコスト化が実現できる、急速冷凍機導入をぜひご検討ください。