[花咲ガニ×凍眠] 茹でた状態で急速冷凍
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今回は北海道の東端、根室市で水産加工を営むセイブ様での導入事例をご紹介します。
要約すると・・・
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製造工程
トゲがあってもパックできる。だから凍眠凍結が可能!
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導入のキッカケ
お取引先から「凍眠で冷凍して」と要望があったから
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冷凍品質は?
取引先も大絶賛!スタッフも試食したが、冷凍品と非冷凍品との区別がつかないクオリティ!
目次
製造工程をみる
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下処理(茹で工程)
凍眠を用いて急速冷凍している商品はこちらの「甲羅詰め」と言い、甲羅の中に脚の身を詰めて冷凍します。こちらの商品は解凍したらすぐに食べられるようにするため、事前にカニを茹でておきます。
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トゲがあるけど包装できるの?
できます!カニなど、トゲがある商材を冷凍する場合、真空包装の包装資材の厚みを変えたり、伸縮性の高いものを選ぶという選択肢もあります。今回取材させて頂いたセイブ様ではある程度空気を残して包装し、その上でプラスチック容器に乗せてトップシールをします。
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甲羅に身を詰めます
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一次包装
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二次包装
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スチームで殺菌
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凍眠で急速冷凍
凍眠で冷凍する際の最適な条件としては「真空包装」されていること。つまり、パッケージ内に空気が無い状態がベストです。それは2つの理由からです。1つ目は、空気は熱交換のチカラが弱いためです。ある意味では、空気は断熱性があるとも言えます。ですので、パック内に空気が残っていると、液体凍結最大のメリットである液体の熱交換のチカラを活かしづらいということです。冷凍速度において、空冷式よりも液冷式が速いと言われているのはこの熱交換がポイントとなります。2つ目は、空気があることによって冷凍焼けのリスクがあると言う事。
では、こちらのパッケージ、空気を含んでいるため、芳しくないのかというと、そうではありません。真空包装はあくまでも理想であり、現実のオペレーション的に難しければ、その点は柔軟に対応することが出来ます。こちらの商品の場合、空気は含んでいますが、包材を介して、液体(アルコール液)に触れる面積も十分に確保されていることから、急速冷凍することが出来ています。あとは、保管において、冷凍焼けしないよう、上手く在庫を回し、管理をしていけば、オペレーション的にもGOODです。
セイブ様がご導入された機種はS-220Wで、コンパクトかつ機械自体にキャスターもついており、移動も簡単です。凍結対象品を凍結カゴに並べて入れ、そのカゴごと凍眠の液槽に入れます。
S-220Wについてはこちら
卸販売先(お取引先)の評価は?
取引先の方から、凍眠が良いと言う評判を聞いたとの事で、「他の冷凍と全然違うから凍眠冷凍してください」と言うご要望を受けているそうです。凍結品質についても「水分が飛んだ感じもなく、モノはうまく仕上がります」と高いご評価を頂いております。
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まとめ
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セイブ様のご厚意で、「凍眠冷凍したものと、冷凍していないものを食べ比べてみては?」との事で、試食をさせて頂きます。結果からお伝えすると、スタッフでは違いが全く分かりませんでした。カニなどは冷凍すると、繊維が縮こまり、やせ細ったような見た目になり、ドリップが出がちですが、凍眠冷凍したものはそのようなことは一切なく、冷凍していないものとの区別がつきません。
また、色味も鮮やかで、プルっとしたカニの身質の再現性が非常に高いことに驚きました。北海道でしか味わえないこの味覚。北海道の東端ですから、物流に乗せて消費地に到着するまで時間を要してしまいます。そのような地理的に不利な条件も気にせず、美味しさそのままに冷凍便でビジネスが出来ると言うのは凍眠のメリットですね。
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