2回冷凍加工しても保てる新鮮さ。冷凍食品の可能性を広げる凍眠の技術。
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2回冷凍加工しても、新鮮さを保つ。冷凍食品の新たな可能性についてご紹介します。
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越田商店 様
昭和4年創業。
富山県氷見市で氷見産ぶりや白えび、ホタルイカをはじめとする海産物、鮮熟干物や伝統製法みりん干しなど。
地物にこだわる水産加工品の商品開発、及び販売をしている水産加工会社です。
POINT!
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凍眠を活用した
商品BtoC 向け:氷見産ぶり、白エビ、ほたるいか
BtoB 向け:かに、イカ、マグロ、さわら、お客様の要望に応じた食材 -
活用法
旬の時期に水揚げ後、すぐに凍眠。店舗・業者へは受注量に応じて解凍し出荷。一般消費者へは解凍後に加工して再度凍眠して出荷、販売。
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凍眠商品の
召し上がり方二次凍結させた商品含め、お刺身として提供。白えびはお刺身以外にもかき揚げなどの材料としてご提案しています。
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今後の目標
富山湾の豊富な水産物を、全国に流通させたい。
目次
冷凍でも失われない!生鮮食品の「新鮮さ」
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テクニカンの凍眠は−30℃の液体で空気冷凍よりも圧倒的に速く凍らせる冷凍技術。通常の空気冷凍とは違い、食材の細胞を破壊せずに凍結できることで、冷凍の前の「おいしい」を保つことができます。
生鮮食品は、特に新鮮さが重要。越田商店さんでは、地元・富山湾で旬の時期に水揚げされた水産物をすぐに凍眠させます。年間を通して水揚げ直後の新鮮な状態に近い「おいしさ」を保った水産物を提供することが出来ます。
また、必要な分だけを解凍・加工しているので、廃棄などフードロス削減にも大きく貢献をしています。
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凍眠させた食材を初めて食べた時の感想を「目をつぶって食べたら、獲れたてと区別が出来ないですね…」と話すのは、専務の越田さん。
本格導入前に、地元の方に凍眠で冷凍した食材とは言わずに食べてもらったそう。富山の海の幸を普段から召し上がっている方でも、「獲れたてと変わらないおいしさ」と感想をいただき、これは活用できると確信を得たそうです。
2次凍結が可能にする新たな販売方法
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こちらは富山湾で獲れる「ほたるいかの沖漬け」。越田商店さんの人気商品の1つです。
越田商店さんでは、獲れたてのタイミングで海産物を凍眠。一般顧客向けには一度解凍後、パッキング等の加工をして、再度凍眠で凍結させて販売をしています。年間を通した需要に対応するため、獲れたてを凍眠してから約1年後に解凍&再凍眠をすることもあるそうです。
それでも、獲れたてと同じような弾ける食感は失われず「おいしい冷凍食品」として、お客様からの人気を集めています。
最初の凍眠から、あえて2年・3年経過した食材も解凍させて味見をしているそうですが、このおいしさは全く衰えないと越田さんは語ります。そこまでには在庫は残らないので流通することはないですが、凍眠の再現性の高さを肌で感じていただいています。
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こちらの白えびも旬の時期から1年弱経過したもの。通常の冷凍だと赤っぽくなってしまう白えびも、ここまで獲れたてに近い状態を保てているのは凍眠を導入してからとのことです。
白えびも再凍眠したものをお刺身として販売しています。
本来は捨ててしまう。フードロス課題の解決
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白えびのお刺身は、1尾ずつ半解凍の状態で殻を剥き、パッケージ化しています。凍眠導入前は捨てていたこの殻も、今では出汁のもとやパスタのトッピングとして活用されることも多く、旅館やレストラン向けに販売をしています。今までの空気冷凍だと旨みが消えて、こういった活用はできなかったのですが、旨みを閉じ込められる凍眠なら本来捨ててしまう部分も販売が可能です。
その他にも、ぶりの加工の過程でどうしても発生してしまう切り落とし部分は漬け丼の具材などにしていただくなど、富山の海産物を余すことなくお客様にお届けしています。
手間がかかっても、産地のおいしいものを届けたい
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越田商店さんでは、獲れたての海産物を凍眠、需要に合わせて解凍して加工、パックして再凍眠して出荷。白えびは1尾ずつ殻を剥き、ほたるいかも1匹ずつ手作業で並べています。
「他の業者さんでは機械化しているところもあるみたいですが、どうしても傷がついてしまうことがあるんです」と語るのは、作業をされている沢木さん。
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「お客様に本当においしいものをお届けしたい」
凍眠を導入していただく企業さまにはそういう想いを持っている方が多く、沢木さんもそのお1人です。生まれ育った富山の産物を広げられるなら、こういった手間をかけてでも丁寧に作業をしたいとお話しいただきました。
私たちテクニカンとしても、1つ1つに生産者さんの想いが込められている凍眠の商品を、少しでも多くのお客様に食べて頂けるように広げていきたいと改めて感じました。
富山湾の幸を、全国に届ける!
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富山では今、県をあげて「富山の食文化を広げる」といったスローガンが掲げられています。越田商店さんもその働きに賛同し、現地で獲れるいろいろな食材の商品化にチャレンジをされています。その中で凍眠も活用いただいております。
出荷先の中には、意外にも海産物が豊富な北海道のお客様がいらっしゃるそうです。ほたるいかは北海道でも収穫されていますが、越田さん曰く「各産地で獲れる海産物の味に需要があるんです。獲れたての味を凍眠できるテクニカンさんの技術は、この需要にピッタリなんです」とのこと。
新鮮さが重要な海産物。今までの空気冷凍だと食材が痛んでしまうため、やむなくチルドを選択してフードロスが生まれてしまう…。テクニカンの「おいしく冷凍できる」凍眠なら、こういった課題を突破して、「地元ならでは」「生産者さんの想い」を込めた商品をお届けできる。
そういったことを改めて体感させていただく、キッカケとなりました。今後もこの技術をもっと広げて、世界の食材を余すことなく食べられるような「地球の未来」に貢献できればと考えています。